結婚して約20年。これまで賃貸マンションで過ごしてきましたが、そろそろ自分たちの家を…という話が浮上しました。旦那さんの実家の敷地に新しい家を建てよう――そう考えるようになってから、私の中では少しずつ気持ちが前向きに変わっていきました。最初は腰が重かった家づくり。
けれど、間取りを考えたり、理想の暮らしを思い描いたりするうちに、だんだん「楽しみかも…」と思えるようになってきたのです。
そんな矢先、思いもよらない事実を知ることになりました。
旦那さんの実家の土地は、ひとつの敷地に見えて実は“番地が8つ”もあったのです。
昔ながらの土地とは聞いていましたが、ここまでとは思いませんでした。法務局から取り寄せた登記簿には、驚くような形の土地がずらり。畳2畳分ほどの狭い区画もあれば、へびのように細長く伸びる土地、三角の変形地まで。中には「ここってどこ?」と思うような場所まで含まれていました。用途もバラバラで、宅地もあれば農地もあり、どうやら昔は畑やあぜ道、井戸の跡地まで含まれているようでした。義父が亡くなる前に相続の整理をしたと聞いていましたが、どこまで手をつけていたのかは不明です。
土地の名義を整えるには、改めて測量や名義変更の手続きが必要で、それぞれに費用がかかると知りました。「土地があるから良かった」と思っていたのに、現実はそう簡単ではなかったのです。
義父が生前に残してくれた土地。ありがたい気持ちはもちろんあります。けれど、複雑な名義や形を前にすると、どこから手をつけて良いのか分からず、不安の方が先に立ちます。新聞やテレビで「土地問題で家族が揉めた」という話を聞いたことはありましたが、まさか自分の身にも関係してくるとは思いもしませんでした。
私はこの土地の所有者ではなく、直接どうこうできる立場ではありません。最終的な判断は旦那さんと義母に委ねるしかないのですが、他人事として見過ごすこともできません。家を建てる以上、きちんと整理しておかないと、将来、子どもたちに迷惑をかけることになるかもしれないからです。
考えれば考えるほど気が重たくなります。それでも、この機会に向き合うしかないのだと思いました。これまで「なんとなく大丈夫」と見過ごしてきたことを、ひとつひとつ確認していく。そんな作業が、きっと【未来への安心】につながるのだと信じたいです。
いつか子どもたちがこの土地の話を聞いたとき、「ちゃんと整理してくれてありがとう」と思ってもらえるように。不安もあるけれど、今できることを少しずつ、できる範囲で進めていこうと思います。
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