結婚してから約20年。
ずっと住み慣れた賃貸マンションでの暮らしは、気楽で、自由で、何より自分たちらしい時間が流れていました。
ところが最近になって、旦那さんの実家の敷地に「家を建てよう」という話が急に浮上。
『ついにその時が来たか…』と、心のどこかで覚悟していたような、まだもう少し先の話だと思っていたような、複雑な気持ちです。
もちろん、実家の土地を使えるというのはありがたい話。
でも、それは同時に「同居問題」がついて回るということでもあります。
最初にその話を聞いた時、正直、私は頭が真っ白になりました。
義母さんやお姉さん親子が今も暮らしている実家に、どう自分たちが関わるのか。
距離が近くなれば、良くも悪くもお互いの生活が見えてくる。
「離れ」という言葉に少し安心しながらも、現実はそう簡単ではないと感じています。
話し合いの中で浮上したのが、「実家の半分をリノベーションし、もう半分を取り壊す」という案。

絵心無さすぎ~焦!
家族みんなが少しずつ譲り合いながら考えた結果ですが、リノベーションとなると費用の問題も出てきます。
お風呂やキッチン、トイレは別々に必要になるし、住まいとして快適にするためには、どうしても設備が増えていく。
「離れ」とはいえ、ひとつの小さな家を建てるようなものです。
どこまでを新しくして、どこを残すのか。
「なるべく今あるものを使おう」と思っても、現実的なラインが難しい。
しかも、私は家計を預かる立場。
これからローンを組むとなれば、何も知らないでは済まされません。
だけど、実家のこととなると、どうしても口出ししにくいのが本音です。
義母さんやお姉さんにも負担がかかるし、私が意見を言うことで波風が立つのも怖い。
そんな思いがぐるぐると頭の中を回って、最近は打ち合わせの時も口数が減っていました。
そんな時、工務店の担当さんが、打ち合わせのあとにLINEでメッセージをくれました。
「みんなが幸せに暮らせるように、一緒に考えましょう」
その一言が、胸にじんわりと響きました。
私の迷いや不安を、ちゃんと受け止めてくれていたんだと分かって、少し涙が出そうになりました。
家を建てるというのは、単に“形あるもの”をつくるだけじゃない。
家族の関係や未来の暮らし方を考える、大きな転機なんですよね。
だからこそ、今すぐに決断できない自分を、責めすぎなくてもいいのかもしれません。
それでもいつかは、勇気を出して一歩を踏み出さなければならない時が来る。
不安があっても、迷いがあっても、その先に“家族の幸せな形”があると信じたい。
まだ行動には移せていないけれど、少しずつ心の準備をしていこうと思います。
家づくりは、きっと「誰かに合わせる」ことではなく、「みんなで歩き出す」こと。
その一歩を踏み出す日が、そう遠くない未来に来ると信じて。
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