心が動いた瞬間。家を建てるが生き方を描くに変わった

家づくりなんて、私には一生縁がないと思っていました。

賃貸マンション暮らしも20年近くになり、慣れた環境、近所付き合い、通勤動線――すべてが「今のままでいい」と思えるのも、一つの理由になっていました。

ところがある日、思いもよらぬ話が持ち上がりました。旦那さんの実家の敷地に、新しく家を建てる案が浮上したのです。

最初に聞いたときは、「えっ、同居?無理無理!」と心の中で叫びました。

でも話を進めるうちに、実家の一部をリノベーションし、もう一方を新築に建て替えるという、まさかの【2軒体制】のプランが浮かび上がりました。

離れをリノベーションして、義母さんとお姉さん親子が住み、新築には私たち家族4人が暮らす。

聞いただけでも壮大すぎて、頭の中は「???」でいっぱい。

正直、ヨメの私はリノベ部分に口を出す余地もなく、「まあ、お任せで…」といった感じでした。

そんな中で、信頼できそうな工務店さんと出会いました。

第一印象は、とにかく丁寧で穏やか。

こちらの迷いも否定せず、「まずは希望をすべて出してみてください」と言ってくれたんです。

「え、本当にそんなこと言っていいの?」と、正直半信半疑。

でも、せっかくの機会だからと、スマホ片手に家づくりの情報を調べてみることにしました。

SNSや施工事例の投稿を見てみると、そこには想像を超える世界が広がっていました。

明るいリビング、動線を考え抜いたキッチン、まるでモデルハウスのような収納計画。

昭和生まれの私は『今の家って、こんな感じなの?』と、衝撃を受けました。

見ているうちに、だんだんワクワクしている自分に気づきました。

へぇ~、これなら家事がラクになりそう。

こんな収納があれば片付けも楽しいかも。

いつの間にか、“後ろ向きな私”が、少しずつ“前向きな私”に変わっていたのです。

その一方で、ふと現実に戻ると、我が家の賃貸マンションはモノであふれ返っている。

子どもたちの成長とともに荷物も増え、なんとなく雑然とした部屋…。これから先もこのままでいいのかな?そう思うようになりました。

もしかしたら、これは「暮らしを見直すチャンス」なのかもしれません。

家を建てるというより、家づくりを通して『自分のこれから』を考える時間をもらった気がします。

今も正直、不安はたくさんあります。でも、ひとつだけ分かったのは――家づくりって、単に家を建てることじゃなくて『これからの生き方』を描くことなんだということ。

あれほど後ろ向きだった私が、いまではSNSを眺めながら「この収納、いいな」「この間取り、素敵」と口にしている。

そんな小さな変化を、我ながらちょっと誇らしく思う今日この頃です。

これから新築の打ち合わせが始まります。まだ何も形になっていないけれど、ようやく『自分の未来の家』を、心の中で少しずつ描けるようになってきました。

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